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ますべのディベートメモ

ディベート関連の記事を残しました。これを見るよりyoutubeの動画や音源を見てリサーチしてください

THW motionについて

コンテクスト

最近参加した某高校の練習で、比較軸の分類と幾つかのstrategyを15分ぐらいで簡単にレクチャーした上で、 “THW legalize child labor.”についてGov/Oppのアーギュメント、考えられる対立軸、そこから逆算してどう勝つかを考えてもらうトレーニングを行いました。

その際プレパの様子を見ていたのですが、「Problem-identification: 現状何が問題なのか?」の分析を行うことなくimpactの差分から考え始めたので、話が抽象的な次元から進まず、ケース自体もかなり外していて、強いとされている高校だけにかなり驚きました。その場では具体的な問題特定から始めようねという話をしたのですが、あとで友人と話してBe Comparative!になりすぎる大学サーキットの悪い影響だという結論に落ち着いたので、自戒を兼ねて基本に立ち返ってTHW motionの思考回路についての話をします。

本論

ディベートについての一般的な説明は「論題の取られる世界とそうでない世界の2つの世界間の比較を行ってARPを論理的・感情的に説得した方が勝ち」というものです。そこで「論題を取る」とはどういう事なのか、日常生活とTHW motionの思考回路を対比的に見ていきましょう。

現実では問題が先にあって、それを解決するための手段として何を用いればいいのかを考えます。封筒を開けたいからハサミを使おう、授業中寝ないためにコーヒーを飲もう、みたいな感じですね。 それに対してディベート(THW motion)では解決ツール(=motion)が先に与えられていて、ディベーターは何かしら現状の問題を特定し、モーションを使って解決することを示すことが求められます。つまり、ハサミが手にあるからこれを使って未開封の封筒を開けよう、コーヒーがあるからこれを飲んだら授業中寝ないだろう、みたいな思考回路をするわけで、問題から解決策を考えるのではなく、解決策から問題を考えるという日常生活とは逆行した思考回路が求められる、ということです。

現実: 問題→解決策を考える→解決

THW motion: 解決策→適用可能な問題の特定→解決

まとめ

ディベートは現実とは違って特殊な思考回路を要求します。常にcomparativeに考えるのは悪いことではないですが、THW motionにおいては問題特定を行わずに世界観比較ばかりしているとMotion Typesに起因する本質的な要素を見失うことになるぞ~という自戒含みの文章でした。counterprop fiatとかルール上の細かい点は自分でWorldsのルールブック読んで確認してね。

適切な粒度でキャラを捉える① 個人をdemographicsを用いて特定する

「キャラ分析をもっと細かく!」はありがちなフィードバック。キャラ分析しているつもりでも、ジャッジの想定する粒度で捉えられていないことを回避するためにこのシリーズではキャラ分析の基本的なフレームワークである”segmentation”について軽く理論的に押さえておきましょう。

第一回は個人にフォーカスを当て、demographicsを用いた分析について解説していきます。

Demographicsとは?
コトバンク先生によると、以下の通り。

「人口統計学的属性。顧客データ分析の切り口のひとつ。デモグラフィックは人口統計学的属性、つまり性別、年齢、住んでいる地域、所得、職業、学歴、家族構成などその人のもつ社会経済的な特質データ。デモグラフィックスによって、その人の行動・態度が異なるという考え方からこれをベースにデータを分析し、有効なターゲットを探しだし、ターゲット・マーケティングを実施する。例えば、20代と40代、50代とは生活様式が異なり、消費行動も違っていることから有効とされるターゲット・マーケティング手法。その為の分析をデモグラフィック分析と表現している。」

つまり、統計情報を取得・分析する切り口として用いられている多様なラベルを使って分析を出そう、というのが今回の話のキモです。セグメント分けしたターゲットについて、incentive/capacity/environment(peer pressure, role model, etc…)/narrative/context, etc….
を分析してゆくことで、定性的に細かい分析を出すことが目標です。イメージとしては縦軸にdemographicsを取って、横軸に各分析項をとる感じ。悪名高いdemographicsによるセグメント分けとしてWASPがよく知られています。また、マックスウェーバーの古典的研究もdemographicsによりethosの違いが析出可能であることを示した画期です。これらの切り口は日頃から多様な統計情報に触れている人にとっては当たり前かもしれませんが、知らないことが多い!という人は統計や社会学(量的研究)の書籍で入門的に学ぶとよいでしょう。



具体的にどのような種類のラベルが存在するか?

・Age
1. Prenatal Development
2. Infancy and Toddlerhood
3. Early Childhood
4. Middle Childhood
5. Adolescence
6. Early Adulthood
7. Middle Adulthood
8. Late Adulthood
Human Development | Lifespan Development

・Education
Compulsory Education/High school graduate/Bachelor, Master, Doctoral/levels of University(prestigious or not)/

Inside of compulsory education…
fast learner, slow learner/social class of parents, cultural capital, clam school culture, tiger parents,etc…

Inside of Academia…
faculty/discipline

・religion
Christianity(Roman Catholic, Protestant, Evangelical, YHWH’s witnesses, etc…)
Jewish, Muslim, Buddhism, etc…

・グラデーション
Moderate, Progressive, Conservative(interpretation of religious essence)/Pious, rigorous(religious practice)/community members


・employment
White color, Blue color,
Part timers, full timers, gig workers, etc…
industries(IT, administration office, public officials, firmer, fisher, landed gentry, drug dealer, smuggler, etc…)
toxic culture(overwork, white supremacy, male dominance, etc…),

・class
Upper/upper middle/lower middle/working/
Lower

・migration background
US(Britain, Ireland, Italia, Eastern Europe, Spain, Mexico, India, Caribbean, China, Japan, Germany, etc…)

Generations

・Race
White, African American, Asian, etc…

・ethnicity
Language/cultureによって別れる集団. Ethnicityと国が一致しないことがほとんどなので確自リサーチ
Asia
Japanese, Chinese, Korean,

Nigeria(ethnically diverse regionの例)

その他
・income levels
・marital status

ここで面白い論文の紹介

Target advertisementに特定のrace/ethnicityがvulnerableだという研究結果です。きちんとセグメント分けされて広告が打たれると、その層specificにきちんと(よい/悪いは別で)影響がでることがわかります。
https://www.annualreviews.org/doi/10.1146/annurev.publhealth.012809.103607


また、Chimamandaも言っていますが、Contextによってprioritizeされるdemographyは違う、ということも抑えておいていいでしょう。アメリカでは黒人、白人アジア系といったraceが重要視されるのに比べて、アフリカではethnicitiesが重視されます。
https://youtu.be/hg3umXU_qWc

race/ethnicityよりもreligionが大切な例としてはLebanonが挙げられます。motionをきちんと読みラウンドで求められている適切な粒度を特定することと、contextをあらかじめ調べておくことが大切でしょう。

Keita God Kuritaさんのレクチャー
https://drive.google.com/file/d/1hlqyOA4JuWw2SaoS1mcaeedaXseDfnSs/view?usp=sharing
https://youtu.be/cKk_zYaJCLk

適切な粒度でキャラを捉える① 個人をdemographicsを用いて特定する

「キャラ分析をもっと細かく!」はありがちなフィードバック。キャラ分析しているつもりでも、ジャッジの想定する粒度で捉えられていないことを回避するためにこのシリーズではキャラ分析の基本的なフレームワークである”segmentation”について軽く理論的に押さえておきましょう。

第一回は個人にフォーカスを当て、demographicsを用いた分析について解説していきます。

Demographicsとは?
コトバンク先生によると、以下の通り。

「人口統計学的属性。顧客データ分析の切り口のひとつ。デモグラフィックは人口統計学的属性、つまり性別、年齢、住んでいる地域、所得、職業、学歴、家族構成などその人のもつ社会経済的な特質データ。デモグラフィックスによって、その人の行動・態度が異なるという考え方からこれをベースにデータを分析し、有効なターゲットを探しだし、ターゲット・マーケティングを実施する。例えば、20代と40代、50代とは生活様式が異なり、消費行動も違っていることから有効とされるターゲット・マーケティング手法。その為の分析をデモグラフィック分析と表現している。」

つまり、統計情報を取得・分析する切り口として用いられている多様なラベルを使って分析を出そう、というのが今回の話のキモです。セグメント分けしたターゲットについて、incentive/capacity/environment(peer pressure, role model, etc…)/narrative/context, etc….
を分析してゆくことで、定性的に細かい分析を出すことが目標です。イメージとしては縦軸にdemographicsを取って、横軸に各分析項をとる感じ。悪名高いdemographicsによるセグメント分けとしてWASPがよく知られています。また、マックスウェーバーの古典的研究もdemographicsによりethosの違いが析出可能であることを示した画期です。これらの切り口は日頃から多様な統計情報に触れている人にとっては当たり前かもしれませんが、知らないことが多い!という人は統計や社会学(量的研究)の書籍で入門的に学ぶとよいでしょう。



具体的にどのような種類のラベルが存在するか?

・Age
1. Prenatal Development
2. Infancy and Toddlerhood
3. Early Childhood
4. Middle Childhood
5. Adolescence
6. Early Adulthood
7. Middle Adulthood
8. Late Adulthood
Human Development | Lifespan Development

・Education
Compulsory Education/High school graduate/Bachelor, Master, Doctoral/levels of University(prestigious or not)/

Inside of compulsory education…
fast learner, slow learner/social class of parents, cultural capital, clam school culture, tiger parents,etc…

Inside of Academia…
faculty/discipline

・religion
Christianity(Roman Catholic, Protestant, Evangelical, YHWH’s witnesses, etc…)
Jewish, Muslim, Buddhism, etc…

・グラデーション
Moderate, Progressive, Conservative(interpretation of religious essence)/Pious, rigorous(religious practice)/community members


・employment
White color, Blue color,
Part timers, full timers, gig workers, etc…
industries(IT, administration office, public officials, firmer, fisher, landed gentry, drug dealer, smuggler, etc…)
toxic culture(overwork, white supremacy, male dominance, etc…),

・class
Upper/upper middle/lower middle/working/
Lower

・migration background
US(Britain, Ireland, Italia, Eastern Europe, Spain, Mexico, India, Caribbean, China, Japan, Germany, etc…)

Generations

・Race
White, African American, Asian, etc…

・ethnicity
Language/cultureによって別れる集団. Ethnicityと国が一致しないことがほとんどなので確自リサーチ
Asia
Japanese, Chinese, Korean,

Nigeria(ethnically diverse regionの例)

その他
・income levels
・marital status

ここで面白い論文の紹介

Target advertisementに特定のrace/ethnicityがvulnerableだという研究結果です。きちんとセグメント分けされて広告が打たれると、その層specificにきちんと(よい/悪いは別で)影響がでることがわかります。
https://www.annualreviews.org/doi/10.1146/annurev.publhealth.012809.103607


また、Chimamandaも言っていますが、Contextによってprioritizeされるdemographyは違う、ということも抑えておいていいでしょう。アメリカでは黒人、白人アジア系といったraceが重要視されるのに比べて、アフリカではethnicitiesが重視されます。
https://youtu.be/hg3umXU_qWc

race/ethnicityよりもreligionが大切な例としてはLebanonが挙げられます。motionをきちんと読みラウンドで求められている適切な粒度を特定することと、contextをあらかじめ調べておくことが大切でしょう。

Keita God Kuritaさんのレクチャー
https://drive.google.com/file/d/1hlqyOA4JuWw2SaoS1mcaeedaXseDfnSs/view?usp=sharing
https://youtu.be/cKk_zYaJCLk

アーギュメントの意味論的構成要素

f:id:Kircher:20220226230221p:plain

図を友人に見せたらあたりまえ体操と言われたので、みなさん既知なことだと思いますし特に解説することはないです。ライプニッツの観念の明晰性から着想を得たときは結構いけてると思ったのに......まあそういうこともある

ベンチ内比較(BP)

こんにちは。テスト前にframing/weighingについて頭の片隅に入れながら生活していたらノートにまとまった量の原稿が出来上がっていたので放流させます。あまり比較は得意ではないので、間違った理解があったりしたらごめんなさい。指摘していただけると助かります。

BPのベンチ内(上下)比較についてある程度原理的な理解をすることが目標で、以下の3つの比較パターンを含んでいます。
practical(vertical)
practical vs principle(非帰結依存)
practical vs principle(帰結依存)

よくあるpractical(horizontal)についてはHorizontalにopeningを抜こうとしている時点で評価軸と理由をはっきりさせてからその戦略を採用している場合が多く、ディベータ―目線でもジャッジ目線でも自分はあまり評価に困っていないので今回の原稿には含まれません。では早速本題へ。

1. Practical(vertical)

OGがあるアーギュメントをimpactまで落としたが、幾つかのコアのメカニズムはdropしていて、OOに負けている/少なくとも明確な比較はされていないケースを想定しました。

1-1. よくある比較軸

「OGは一応アーギュメントを立てて価値判断まで示したが、コアのMechanismが抜けていたので、それを埋めたCGの勝ちです」

これは本当によく見かけるのですが、比較になっていないと思います。理由は以下の2つ。
A. 文法的に換言可能であること
「CGは一応コアのMechanismを示したが、アーギュメントを立てて価値判断まで示せていないので、それを埋めたOGの勝ちです」
という文章が可能です。ゆえにこの文章はラウンド内においてexclusiveな意義を持たないと考えられます。もしこれをRFDに採用してしまうと、CGは後に言ったから勝ちですと言うのと同義になってしまいます。

B. contributionを示していないこと
Argumentのラウンド内の評価は相手ベンチとの比較の上で成立します。肝心の評価が不明なのに、完成させるという行為単体を評価するのは極めて難しいと思います。

1-2. 導入すべき評価軸

A. OGの段階でOOを上回っていない/deadlockであり、それを自分たちのMechanismが解消したことを示す
自分たちのmechanismがあって初めてOGのアーギュメントがOOを上回ることを証明した場合、そのmechanismがあって初めて勝ちから演繹される正のcontributionが発生するのでopeningを抜く立派な理由に成り得ます。

B. このラウンドがmechanism heavyであるため帰結を示すよりもlikelihoodを示す方が価値が高いことを示す
特にgoal共有のラウンドでシナリオのlikelihoodが争点となっている場合、mechanismを埋める価値が高くなります。帰結は両サイドのconsensusであることが多いので、メカニズムの方を示したことをハイライトすれば、仮にシナリオの取り合いで横に負けたとしてもOOを抜けてさえいればopeningを上回る理由にはなり得ます。

1-3.frameworkとの関係

Aはどちらが勝ったか?というラウンドの帰結に依存するので、先にフレームとして提示しても結局トートロジー(縮小律)で終わりframeとして用いる価値はありません。Bの戦略を取る場合、Goal共有型ラウンドはMechanismで見るべきというframeを先に出して議論範囲を狭めるという議論戦略は有効に機能しやすいと思います。

2. practical vs principle(非帰結依存)

そもそもprincpleが立っている前提に基づいて話を進めます。ここからはいろいろなprincipleがあって抽象的議論だと辛いので、具体的に話を進めてゆきます。用いる論題は “THO lethal autonomous weapon systems (Evergreen 2022 R3)”で、CGがAccountabilityが無いという話を立てきった想定です。

2-1. 前に見た違和感のある説明

「principleの方がpracticalの議論に直観的に優先されるので~」
これは自明ではないと思います。確かに論点の先後関係を設定するとpracticalの前に優先して考慮されるべきprincipleもありますが、あくまでその整理を行った後に初めて出てくる帰結です。なので、あくまで記号的に論証していきましょう。

2-2. 必要な論証

A. 議論の先後関係の整理
Accountabilityの有無はLAWSの存在性格自体を問うもの(agencyがないとか)で、原理的に帰結が発生するよりも先に議論可能です。なのでoppの技術革新でmasacreの発生確率が下がり続ける、みたいな帰結に依存せず、かつそのような主張よりも先に考慮すべきであるという主張は採用してもいいでしょう。

B. 議論単体の評価
ラウンド内の全ての議論に先行する議論であると認められ、かつその議論が成立しているのならば1位です。注意しなければならないのは、LAWSのケースの場合、戦争で死者が何人出るか?という帰結に対してaccountabilityの議論は独立ですが、人間の場合に実際にどうaccountabilityがculculateされいるのか?(軍事法廷, ICC, etc…)の帰結に対しては依存しているという点です。principleの議論は常に何かしらの帰結の後に発生し、帰結に依存しないという表現よりかは、この帰結に対しては独立であるがこの帰結に対しては依存的である、といった限定的な用法の方がより正確である気がします。

3. practical vs principle(帰結依存)

メインとして出されているプラの帰結に依存的なprincipleのラウンド内の意義は、価値判断の強化/線引きの明確化であると思います。とりあえず論駁すべき事例が思い浮かばないので、原理的な説明から始めます。

3-1. 原理的な説明

Openingの段階でプラの殴り合いになっていたときにARPが使えるMetricは(impactで評価するなら)ScaleとSeverityです。帰結依存のprincipleを出す意味は、これら2つの評価軸に加えて第三のMetricによりpracticalの帰結が評価されるべきで、それがopeningの議論を踏まえて自分たちのベンチを勝ちにする理由になることを示すことです。

3-2. 示されるべき事柄

A. そのMetricは何か

B. なぜそのmetricでプラの帰結が評価されるべきか?
これはscale/severityという2つの評価軸との比較です。それら2つではなく、この評価軸で見られるべき理由を論証します。

C. そのMetricを用いて比較したとき、初めてOGの出した帰結がOOを上回る説明
結局最後はcontributionで見られるので、scale/severityで比較できなかった/比較してたら負けてたけどこのスケールを出すことで初めて勝ちを示したことになります、との説明が必要です。逆に言えば既にOGがscaleでコンパリして勝っているのならCGの帰結依存principleが以下にスマートでも、それ単体でOGを上回ることはありません。

3-3.具体例

“THBT developing countries should require their citizens to work for a certain period of time in their country of origin after graduating from university(Evergreen cup 2022 R4)”
oppが個人の権利の侵害の程度論を出してきたと仮定しましょう

A. Metricの提示:一般原則
・個人の権利の侵害は最低限であるべき
→birth lottery生れ落ちる場所は選べないので、自分の力で周囲の環境を改変して住みやすくする幸福追求能力は最大限保障されるべき
・Mobilityを奪うと、単に移動の自由が制限されるだけでなく、経済活動や財産権等が(可能であったキャリア実現が不可能になるという帰結に基づいて)侵害される
・taxするだけなら、財産権のみの侵害に留まる

B. applicability: 特殊適用
1. mobilityがconpensation無しに侵害されるのは、明らかなharm to othersが予見される時のみ
analogy: quarantine, imprisonment
(道路の立ち退きとかの場合はconpensateされる)

2. このmotionでは海外に行くことがharm to othersしてないし、政府が個人に対して何もconpensateしていないのでmobilityを侵害することはできない

3. 国内の教育インフラ使ってめっちゃ海外で稼いでるのはredistributionの問題なので、海外の所得に対してtaxすればそれで十分(加えてtax可能っていうカンプラのfeasibility)


あとがき

4000字程度のレポートを書いている途中に思いついて1時間ちょいでノートにして6pくらい書き殴ったのですが、そのまま文字起こししたところ4000字程度だったので悲しくなりました。スピノザライプニッツに向かって謝罪。明日は(自分は出ないですが)凌霜なのでエバグリの具体例からは解放されると思います。みんな頑張ってください。

THR commercialization of X.(Gov)

こんにちは。最近よく見る “THR commercialization of X.” のGovをどう戦うか考えていきたいと思います。資本主義のオルタナティブを考える論題は好きなのですが、fairnessが微妙で出題されなくなるのは悲しいので。

1. statisticsから

まずは統計データを分析してみましょう。直近の3大会のタブを参照すると、Govが弱いことがはっきりと分かります。ABPで1.14:1.86, JBPは0.9:2.1, govの平均獲得ポイントが1を割っています。エバグリも1.05:1.95。この系統の論題はざっくりとGov:Opp=1:2くらいのポイント比であることがわかりました。比較用に同じくoppが資本主義肯定スタンスを取り、現実の具体例を分析することでmechanismが出せると思われるK-cup 2021(BP) R3を見てみましたが、 "THR commercialization of X." の方が偏りが顕著です。これは明確に共産主義スタンスを取れる “degrowth”に対して、“commercialization”は明確なオルタナティブが存在しないかつ、特定の分野に関するretrospectiveな知識を要求されることが原因であると考えられます。

ABP 2021 R6

This House regrets the commercialization of counterculture art
gyazo.com

JBP 2021 R1

THR the mass commercialisation of football
gyazo.com

OG:1.0, OO:2.0, CG:0.8, CO:2.2
Gov:0.9 Opp:2.1
*1

Evergreen Cup 2022 R2

THBT commercialization of international sporting events (e.g. Olympic games) does more harm than good.
gyazo.com


比較用: K-cup 2021(BP) R3
gyazo.com


2. 原因と対策

これだけoppに傾いていると、重度のHipHopオタク, サッカーオタク, スポーツ観戦オタクetc…がチームにいない限りvetoしたくなりますが、BPで出たら困るので対策を考えましょう。いつも通りHorizontalでどうすれば戦略的に勝ち筋が拾えるのか見ていきます。

2-1. Oppが強い原因から考える

・資本主義システムをそのまま分析可能
・現在の資本主義を肯定するnarrativeをそのまま流用可能(現状肯定)
→相手が自分と同等の強さであることを仮定した場合、Govのcounterfactualのdepth of analysisが浅くなるのでLikelihood比較で戦うことは非推奨

2-2. Govの勝ち筋

・oppの守りたいactorのexclusivityを全力で削る(資本主義によってbenefit受ける奴は強者なので、非-商業化された世界線でも強者であり続ける可能性が高い)
・モラハイを取れるアクターをがんばって探し、impactのseverityで勝つ(scale比較は資本主義に有利なので非推奨)
・相手の価値判断をflipする

2-3. ベンチ内比較

まさおさんから頂いた有難いアドバイスです。ポイント比から逆算すると、Govを引いたときはベンチ内比較で4位を回避する方が現実的に思えるので、こちらの戦略に重点を置く方がいいかもしれません。
1. APの世界の具体化が忘れられがち(commercialization of X自体のハームだけ投げて終わりがち)なので埋める
2. Commercializeしてる人のincentiveとかを分析して、何故都合の悪い(harmfulな)形でされているのかを説明
→OG/OOのdeadlock解消にもなる
3. Xとnon-Xの差を明示してuniqueにする

3. Counterfactualを考える

retrospectiveな論題に関するヒントはまさしく ‘we encourage you to use your imagination.’ すなわち ‘Prior to that’を考えればよい。
  

3-0. 抽象化して類題から考えてみる

先例から考えるというのも抑えておきたい思考形式。“Regret Commercialization”の類題として考えられるMotion群は以下の通り
・THO organized religion.
キケロからマルクス・アウレリウスまでのあいだ、神々はもはやなく、キリストはいまだない、ひとり人間のみが在る比類なき時代があった」*2

・THO system of marriage.
「正規の婚姻を中心としたこのシステムに、十八・十九世紀における言説の急激な増大は、二つの変更をもたらした。第一には、異性愛に基づく一夫一婦制に対する遠心的運動である......そこから性現象の場で、「自然に反するもの」の特殊な次元を掘り起こすことになる......これらすべて周縁的性現象の出現は何を意味するのか......」(Foucault, 1976)

・THBT the world’s poor would be justified in pursuing complete Marxist Revolution.

‘That is to say, just notice how chronocentric our vision of civilization is. That is, a system of private property emerged out of the enlightenment that is the last 300 years of human existence. Prior to that people lived in sharing economies where they defined themselves as something greater than their labor and their productive force. That’s the kind of world that we support.’ (Bo Seo, 2016)

3-1. international sporting events(e.g. olympic games)

商業化される前のオリンピックを考える
近代五輪の父クーベルタン男爵が復興を目指したのはオリンピア大祭。すなわち、戦争の休止協定であり、アマチュア精神の発揮の場。前者はfeasibility的に難しいとしても後者はいけそう。(anywayプロ向けの国内スポーツ機会は確保されるのに対して、アマチュアの国際大会はgovのパラダイムのみにexclusiveに存在できると考えられるため)。impactは交流とか?(よわそう)

害の不在の論証がメインになりconstructiveではない立論になりそう。害の不在飲みを論証する場合、オリンピックetcは廃止されますってcounterfactualのシナリオの方がnegativeだけどスッキリするような気もします。

4. 帰結
ここまで書いてみましたが、その場で言えそうなアーギュメントはいくら書いても勝てないなと思ったのでやめます。govが勝てるかどうかは結局リサーチ量でoppを上回れたかどうかな気がします。oppは資本主義generalな分析がいくらでも出せるので、固有の分析がいかに多く出せるか、problemをどれだけ多くストックしておけるかどうかが分かれ目です(害がmitigate可能だという論証にgovのimpactの大きさが依存するため)。gov/oppに同程度のリサーチの深さを想定するならoppが勝つような気がするのですが、現にMotionが出されているということはGovの勝ち筋があり、一定フェアネスが担保されていると各大会のAC会議で判断されているということで、機会があれば勝ち筋などを聞いてみたいと思います。

とりあえず今日はここまで。のちほど思いついたら追記します

5. 追記: ジャッジのburdenの掛け方について

まさおさんから「Regret motionに対してジャッジはis-ought problemに反してGovに重い証明責任を課しているのでは?」という趣旨のご指摘があったので併せて掲載しておきます

*1:statisticsは公開されていないが、平均ポイントは「結果」タブの各試合の結果を手計算して求めることができる

*2:≪Les dieux n'étant plus et le Christ n'étant pas encore, il y a eu de Cicéron à Marc Aurèle un moment unique où l'homme seul a été.≫ Flaubert

コンストの完成度の資料

栃木県練習会の際にディベート初心者向けに、立論の完成度を考えるために比較的重要だと思われる観点をリストアップしてまとめた資料を作成しました。基礎的な立論を行うためにチェックリストを作る手掛かりになると幸いです。

docs.google.com

1階の記述的なスピーチの形式的な作成を念頭に置き、nuanceやframing, comparetiveといった難しい概念については収録していません。要望がやあれば書くかもしれません。もし内容について質問や意見があればhttps://twitter.com/megalorrountasまでお願いします。


この資料の作成を手伝ってくれた鎌倉君には感謝。