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ますべのディベートメモ

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THW motionについて

コンテクスト

最近参加した某高校の練習で、比較軸の分類と幾つかのstrategyを15分ぐらいで簡単にレクチャーした上で、 “THW legalize child labor.”についてGov/Oppのアーギュメント、考えられる対立軸、そこから逆算してどう勝つかを考えてもらうトレーニングを行いました。

その際プレパの様子を見ていたのですが、「Problem-identification: 現状何が問題なのか?」の分析を行うことなくimpactの差分から考え始めたので、話が抽象的な次元から進まず、ケース自体もかなり外していて、強いとされている高校だけにかなり驚きました。その場では具体的な問題特定から始めようねという話をしたのですが、あとで友人と話してBe Comparative!になりすぎる大学サーキットの悪い影響だという結論に落ち着いたので、自戒を兼ねて基本に立ち返ってTHW motionの思考回路についての話をします。

本論

ディベートについての一般的な説明は「論題の取られる世界とそうでない世界の2つの世界間の比較を行ってARPを論理的・感情的に説得した方が勝ち」というものです。そこで「論題を取る」とはどういう事なのか、日常生活とTHW motionの思考回路を対比的に見ていきましょう。

現実では問題が先にあって、それを解決するための手段として何を用いればいいのかを考えます。封筒を開けたいからハサミを使おう、授業中寝ないためにコーヒーを飲もう、みたいな感じですね。 それに対してディベート(THW motion)では解決ツール(=motion)が先に与えられていて、ディベーターは何かしら現状の問題を特定し、モーションを使って解決することを示すことが求められます。つまり、ハサミが手にあるからこれを使って未開封の封筒を開けよう、コーヒーがあるからこれを飲んだら授業中寝ないだろう、みたいな思考回路をするわけで、問題から解決策を考えるのではなく、解決策から問題を考えるという日常生活とは逆行した思考回路が求められる、ということです。

現実: 問題→解決策を考える→解決

THW motion: 解決策→適用可能な問題の特定→解決

まとめ

ディベートは現実とは違って特殊な思考回路を要求します。常にcomparativeに考えるのは悪いことではないですが、THW motionにおいては問題特定を行わずに世界観比較ばかりしているとMotion Typesに起因する本質的な要素を見失うことになるぞ~という自戒含みの文章でした。counterprop fiatとかルール上の細かい点は自分でWorldsのルールブック読んで確認してね。